亡くなってから葬儀まで1週間待つ場合の仕事はどうするべきか

身内が亡くなったが、火葬場が混んでいて葬儀まで1週間も空いてしまう。この間の仕事や忌引休暇はどうすればいいのだろうか?
突然の訃報に悲しむ間もなく、長引く待機期間と職場への対応に頭を抱える方は少なくありません。
結論からお伝えすると、まずは会社の「就業規則(忌引休暇の起算日と日数)」を確認し、「有給休暇の併用」か「一旦仕事に復帰する」かの判断を早急に行うことが正解です。
また、1週間という長期間にわたるご遺体の「安置費用」の確認も急務となります。
本記事では、葬儀まで1週間待つことになった場合の忌引休暇のルール、仕事の調整パターン、そして長期間の安置で発生する高額費用の落とし穴まで、現場のリアルな実態を踏まえて徹底解説します。
葬儀まで1週間待つのはおかしいこと?長引く背景と実情
| 項目 | 結論・相場 |
| 一般的な葬儀までの日数 | 亡くなってから3〜5日程度 |
| 都市部での待機日数 | 1週間〜10日程度かかることも珍しくない |
| 主な理由 | 火葬場不足、友引などの休業日、親族・宗教者の都合 |
葬儀まで1週間も待たされることに対し、「日数をかけすぎではないか」と不安に感じる方もいらっしゃいますが、現代において葬儀まで1週間空くことは全く珍しいことではありません。

葬儀が1週間先になる主な理由
なぜこれほどまでに葬儀までの日数が長引くのでしょうか。それには、社会構造の変化と複数のスケジュール調整という明確な理由が存在します。
都市部における深刻な火葬場不足
最大の要因は、首都圏をはじめとする人口集中エリアでの「火葬場不足」です。近年の多死社会において、火葬施設の数が死亡者数に追いついておらず、常に予約がひっ迫している状態が続いています。地域によっては、最短で予約できるのが1週間から10日後というケースも日常化しており、ご遺族の希望する日程で火葬を行うことが物理的に不可能な状況が生じています。
友引や休業日、親族・宗教者のスケジュール都合
火葬場の空き状況に加えて、暦や関係者の都合も大きく影響します。火葬場や斎場には「友引」や「年末年始」などの定休日があり、これらが重なるとさらに日数が延びます。また、遠方に住む親族の移動時間の確保や、読経をお願いする菩提寺(僧侶)の法務スケジュール調整など、関係者全員の都合をすり合わせることで、結果的に1週間ほど先延ばしになるケースが増加しているのです。
現場のリアルな実態と周囲への説明方法
現場の実態としても、「葬儀社に依頼したが、火葬場の空きがなく最短で1週間後と言われた」というご相談は非常に多く寄せられます。
親族のなかには、昔の感覚で「すぐに葬儀をしないなんておかしい」「ご遺体が可哀想だ」と指摘する方もいらっしゃるかもしれません。しかし、現在の火葬事情を丁寧に説明することが重要です。「今は火葬場が大変混み合っていて、この地域では1週間ほど待つのが一般的なんですよ」と落ち着いてお伝えすれば、多くの方は納得されます。
無理に遠方の空いている火葬場を探して慌ただしく葬儀を行うよりも、住み慣れた地域でしっかりと準備を整えるほうが、結果的に満足のいくお別れにつながります。

葬儀の日程が延びた場合、焦る必要はありません。むしろ、この期間をご家族でゆっくりと思い出を語り合い、お別れの心の準備をするための大切な時間と捉えるご遺族が増えています。
葬儀まで1週間空く場合の忌引休暇の基本ルール
| 続柄 | 忌引休暇の目安日数 |
| 配偶者 | 10日 |
| 実父母・養父母 | 7日 |
| 子 | 5日 |
| 兄弟姉妹・配偶者の父母 | 3日 |
| 祖父母・配偶者の兄弟姉妹 | 1日〜3日 |
※日数はあくまで一般的な目安であり、企業によって異なります。
葬儀まで1週間空く場合、もっとも注意しなければならないのが「忌引休暇の起算日(いつからカウントが始まるか)」です。
忌引休暇の起算日は「就業規則」で決まる
なぜ起算日が重要かというと、忌引休暇は労働基準法で定められた法定休暇ではなく、各企業が独自に定めている「法定外休暇」だからです。そのため、ルールは会社によって完全に異なります。
起算日を「死亡日」とする会社もあれば、「通夜の日」や「葬儀の日」とする会社もあります。さらには、「土日祝日(公休)を含めて暦日でカウントする」か「出勤予定だった営業日のみでカウントする」かも企業によって異なります。このルールの違いを把握していないと、肝心な時に休めないという事態を招きます。
実際にあった忌引日数の不足トラブル
死亡日からのカウントで葬儀日に休暇が終わるケース
実際にAさんが直面した事例をご紹介します。Aさんの会社は「死亡日からカウント・公休を含む暦日計算」という就業規則でした。木曜日に実の父親が亡くなり、7日間の忌引休暇が認められました。しかし、火葬場の都合で葬儀が翌週の金曜日に決まったのです。
この場合、木曜日を1日目としてカウントすると、忌引の7日間は翌週の水曜日で終了してしまいます。木曜日と金曜日(葬儀当日)は忌引休暇が適用されず、有給休暇を消化するか、欠勤扱いになってしまうという状況に陥りました。このように、規定の日数と実際のスケジュールにズレが生じるのは、待機期間が長い場合によくあるトラブルです。
必ず確認すべき就業規則のチェックポイント
したがって、身内が亡くなった際は、まずご自身の会社の「就業規則」を必ず確認してください。「起算日はいつか」「休日に被った場合はどうなるか」「分割取得は可能か」を正確に把握することが、その後の仕事調整の第一歩となります。不明な点は、すぐに人事部や総務部に問い合わせて確認しましょう。



ご自身の有給休暇の残日数も合わせて確認しておきましょう。遠方での葬儀や待機期間が長い場合は、忌引休暇だけでは日数が足りず、有給休暇の併用がほぼ必須となります。
葬儀まで1週間待つ場合の仕事の休み方・3つの対応パターン
| パターン | 対応方法 | おすすめな人 |
| ① 一旦復帰型 | 死亡直後と葬儀日のみ休み、間は出社する | 喪主ではない親族、仕事の代えがきかない人 |
| ② 連続休暇型 | 忌引休暇に「有給休暇」を繋げて1週間休む | 喪主を務める人、精神的ショックが大きい人 |
| ③ リモート/半休型 | 葬儀の打ち合わせ時のみ半休や在宅勤務にする | 在宅ワークが可能な職種の人 |
忌引休暇だけでは日数が足りない、あるいは待機期間が長すぎる場合、どのように仕事を調整すべきでしょうか。
状況別の適切な仕事調整方法
なぜ対応を分ける必要があるのかというと、ご遺族の「役割(喪主か一般参列か)」や「精神的な状態」によって、葬儀までの1週間の負担が全く異なるからです。一律に「1週間休む」のが正解ではなく、それぞれの状況や職場の環境に合わせた柔軟な対応が必要になります。
パターン別の具体例と現場の実態
パターン①:一旦復帰型(一般参列の親族向け)
喪主ではなく、葬儀の準備に直接関わらないご親族に多いパターンです。例えば、亡くなった直後(危篤の連絡〜逝去の手続き)で1〜2日有給を取り、その後は一旦通常通り出社します。そして、通夜・葬儀の日に改めて忌引休暇(または有給)を取得します。
忌引休暇の「分割取得」を認めている企業であれば、この方法がもっとも職場への負担を減らせます。現場でも、「何もしないで待っているより、仕事をしている方が気が紛れる」とあえて出社を選択される方も少なくありません。
パターン②:連続休暇型(喪主・中心となるご遺族向け)
喪主を務める場合や、ご家族の中心となって動く場合は、このパターンを強く推奨します。なぜなら、葬儀までの1週間は決して「ただ待っているだけ」ではないからです。役所への死亡届の提出、葬儀社との綿密な打ち合わせ(祭壇、料理、返礼品、人数の確定)、親族や関係者への連絡、遺影写真の選定など、やるべきタスクが山積みです。
現場の事例でも、喪主であるBさんは忌引休暇5日に有給休暇3日をくっつけて連続して休みました。これにより、打ち合わせだけでなく、突然の別れに対する精神的な休息の時間を確保することができました。
パターン③:リモート/半休型(在宅ワーク可能な方向け)
近年増えているのがこの働き方です。葬儀社との打ち合わせや納棺の儀式がある数時間だけ半休(または時間休)を取り、残りの時間は在宅で業務をこなすスタイルです。忌引休暇や有給日数が少ない新入社員の方や、プロジェクトの佳境でどうしても仕事から離れられない方にとって有効な手段です。会社側と相談し、業務量を調整してもらいながら対応することがポイントです。
無理のないスケジュールを組むためのポイント
どのパターンを選ぶにせよ、大切なのは自分一人で抱え込まず、上司や人事部に事情を素直に相談することです。「葬儀まで1週間空くため、〇〇のような形で勤務したい」と具体的な希望を伝えれば、多くの会社は柔軟に対応してくれます。



遠方で葬儀が行われる場合、移動日は忌引に含まれないことが多いため注意が必要です。前泊や後泊の日程も考慮して、余裕を持った休暇申請を心がけてください。
職場への連絡手順と伝えるべき必須項目
| 伝えるべき項目 | 具体的な内容 |
| ① 誰が亡くなったか | 故人との続柄(忌引日数の算出に必須) |
| ② 亡くなった日時 | 起算日の確定に必要 |
| ③ 葬儀の日程と場所 | 未定の場合は「1週間後になりそう」等と伝える |
| ④ 希望する休暇期間 | いつからいつまで休むか、有給を繋げるか |
| ⑤ 緊急連絡先 | 休暇中の本人への連絡手段 |
身内が亡くなった際、職場への連絡は「できる限り速やかに」行うのが鉄則です。
迅速な連絡が求められる理由
なぜすぐに連絡すべきかというと、職場側はあなたの突然の不在に対して、業務を引き継ぐ手配をしなければならないからです。また、会社からの「弔電」や「供花」、規定に基づく「慶弔見舞金(香典)」の手配を進める必要もあります。これらは社内での稟議や手配に時間がかかるため、情報が遅れると会社側も対応に困ってしまいます。
連絡時の失敗例と具体的な伝え方
日程未定のままで連絡を怠ったケース
葬儀まで1週間空く場合、「日程が完全に決まってから連絡しよう」と考える方がいますが、これはNGです。
実際にあった失敗例として、Cさんは葬儀日程が確定するまで3日間会社に連絡を入れませんでした。その結果、無断欠勤扱いになりかけただけでなく、抱えていた業務がストップし、同僚に多大な迷惑をかけてしまいました。会社にとっても「いつ復帰できるのか」「慶弔の手配をいつどこに送ればいいのか」が分からないのは大きなストレスになります。
上司に伝えるべき第一報の例文
まずは第一報として、上司に直接電話(早朝や深夜であればメールやチャット)で状況を伝えることがマナーです。
「本日未明、実の父が亡くなりました。現在葬儀の手配を進めていますが、火葬場の都合で葬儀は1週間ほど先になりそうです。大変申し訳ありませんが、まずは〇日までお休みをいただき、詳細な日程が決まり次第、再度ご連絡いたします。業務の件ですが、〇〇の案件は△△さんにお願いできればと思います。」
このように、未定の部分は未定として伝え、大まかな見通しを共有することが重要です。
業務引き継ぎと周囲への配慮
休暇中は基本的に仕事から離れることになりますが、どうしても確認が必要な事項が発生する可能性もあります。そのため、メールが見られるのか、電話に出られる時間帯はあるのかなど、緊急時の連絡手段についても伝えておくと親切です。



忌引休暇中に業務をカバーしてくれる同僚に対して、「ご迷惑をおかけします」「ありがとうございます」と一言添えるだけで、復帰後の職場の人間関係が格段にスムーズになります。
葬儀まで1週間待つ間の「安置」と高額費用の落とし穴
| 安置方法 | 特徴 | 1週間待つ場合のリスク |
| 自宅安置 | 住み慣れた家で一緒に過ごせる | 衛生保全(ドライアイスの頻繁な交換)の負担が極めて大きい |
| 専用施設安置(預かり) | 葬儀社の霊安室等で預かってもらう | 安価だが、葬儀まで故人と面会できないことが多い |
| 専用施設安置(付添・面会) | 面会可能な個室で安置する | 1日あたりの追加料金が高額になりやすい |
葬儀まで1週間待つ場合、仕事の調整以上に気をつけなければならないのが「ご遺体の安置場所と費用」に関する落とし穴です。
1週間の安置がもたらすリスク
なぜ安置方法に注意が必要かというと、日本の法律(墓地、埋葬等に関する法律)では死後24時間経過しないと火葬できないと定められており、その間ご遺体は適切な場所で保全しなければならないからです。1週間という長期間にわたる安置は、ドライアイス等の保全処置が長引くため、衛生面でも金銭面でもご遺族に重い負担としてのしかかります。
格安葬儀プランに潜む「面会」と「追加費用」の罠
特に気をつけたいのが、インターネット等で大々的に宣伝されている、全国展開の格安葬儀手配サービスを利用した場合です。
預かり安置と付添(面会)安置の違い
これらのサービスは「家族葬〇〇万円」と安く見えますが、基本プランに含まれている安置方法は、ご遺族が故人様と面会できない「預かり安置」であることがほとんどです。専用の保冷施設に預けたまま、葬儀の当日まで顔を見ることはできません。
現場のリアルな実態として、「1週間もあるから、毎日顔を見に行ってあげたい」「最後だから一緒に過ごす時間を持ちたい」とご家族が希望した場合、「お付添安置(面会安置)」というオプションへの変更が必要になります。
1日6万円?延長による想定外の請求事例
問題は、このオプション費用が非常に高額に設定されているケースがあることです。
例えば、あるネット系の葬儀紹介サービスを通じて手配した葬儀社のケースでは、「お付添安置は別途1日6万円」という規定になっていました。もし火葬まで1週間(7日間)待つことになれば、6万円 × 7日間 = 42万円 もの想定外の追加費用が、基本プランとは別に発生してしまうのです。基本プランが安くても、待機日数が延びることで総額が跳ね上がり、「こんなはずじゃなかった」と後悔するご遺族は後を絶ちません。
後悔しないための葬儀社選びの鉄則
このようなトラブルを防ぐためには、事前に葬儀社から「詳細な見積もり」をもらうことが不可欠です。「安置費用は1日いくらか」「基本プランには何日分の安置料が含まれているか」「面会は可能か、追加料金はかかるか」を冷静に確認してください。
1つの葬儀社だけで即決せず、複数社の見積もりを比較することが、残されたご家族への最大の備えとなります。



「家族葬プラン」と一言で言っても、葬儀社によって中身(面会の可否や追加費用の単価、ドライアイスの規定など)は全く異なります。表面的な金額に惑わされず、中身をしっかり比較しましょう。
亡くなってから葬儀まで1週間待つ場合の対応まとめ
- 葬儀まで1週間待つことは都市部では一般的であり、火葬場のひっ迫や関係者の都合が主な理由である。
- 忌引休暇の起算日と日数を就業規則で必ず確認し、葬儀の日に休暇が終わらないよう有給等を活用する。
- 喪主は「忌引+有給の連続取得」、一般親族は「一旦復帰」など、自身の役割に応じて柔軟に仕事を調整する。
- 職場へは葬儀日が未定でも速やかに第一報を入れ、大まかな見通しを伝えて業務引き継ぎをスムーズに行う。
- 1週間の待機で最も怖いのは「高額な安置費用(面会オプション)の追加」であるため、事前に葬儀社の中身をしっかり比較する。
葬儀まで1週間空くことは、決して悪いことばかりではありません。「ご家族が慌てずに、心ゆくまでお別れの準備ができる期間」と前向きに捉えることもできます。
しかし、そのためには「正しい知識」と「信頼できる葬儀社選び」が不可欠です。仕事の調整で心労が重なる中、葬儀費用のトラブルまで抱え込んでしまっては元も子もありません。
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