一日葬とは?安さだけで選ぶと危険!メリット・デメリットを徹底解説

大切な家族を見送る際、体力や精神的な負担を少しでも減らしたいと考えるのは自然なことです。
近年、通夜を行わず告別式のみを1日で行う「一日葬」が、その負担の少なさから選ばれるようになりました。
しかし、「本当に1日で十分なお別れができるのか」「費用はどれくらい抑えられるのか」といった不安を感じる方も少なくありません。
この記事では、一日葬の具体的な流れや費用相場、選ぶ前に知っておくべき注意点を解説します。後悔のないお見送りの形を見つけるための参考にしてください。
【一日葬とは】家族葬や直葬(火葬式)と何が違うの?
一日葬とは、通常2日間かけて行われる「通夜」と「告別式」のうち、通夜を行わずに告別式と火葬を1日で行う葬儀形式のことです。親族や親しい知人を中心に行われることが多く、参列者の高齢化や核家族化を背景に需要が高まっています。
一般的な葬儀や、他の形式との違いを整理しました。
葬儀形式ごとの比較一覧
| 比較項目 | 一日葬 | 一般葬・家族葬 | 直葬(火葬式) |
| 所要日数 | 1日 | 2日 | 数時間 |
| 通夜 | なし | あり | なし |
| 告別式 | あり | あり | なし |
| 費用感 | 抑えめ | 高い | 安い |
| お別れの時間 | △ | ◎ | × |
| 参列者 | 親族・友人 | 親族・一般 | 親族のみ |
最大の特徴は「通夜を行わないこと」です。従来の葬儀では、「寝ずの番」などがありましたが、一日葬ではこれらが省略されます。
そのため、遺族は葬儀前夜にしっかりと休息をとることができ、翌日の告別式に万全の体調で臨めるという利点があります。
形式にこだわるよりも「ご家族が無理なく故人と向き合えるか」が大切です。体力面に不安がある場合は、無理をせず日程を短縮する選択も検討してください。
一日葬の費用相場
一日葬の費用は、通夜を行わない分、一般的な葬儀よりも抑えられる傾向にあります。しかし、単に「日数が半分だから費用も半分」になるわけではありません。費用の仕組みを正しく理解しておくことが大切です。
費用の内訳イメージ
一日葬で費用が抑えられる主な要因は、通夜振る舞い(飲食代)や返礼品などの「変動費」が減ることです。また、遠方からの参列者が宿泊する必要がなくなるため、宿泊費や交通費の負担も軽減されます。
| 費用の内訳 | 内容 | 一日葬の目安 |
|---|---|---|
| 葬儀一式費用 | 祭壇、棺、車両、人件費など | 約20万〜40万円 |
| 飲食接待費 | 通夜振る舞い、精進落とし | 約5万〜10万円 |
| 寺院費用 | お布施、戒名料、車代 | 約10万〜20万円 |
追加費用が発生しやすいポイント
「パック料金」として提示されている金額には、火葬料金や安置費用が含まれていないケースがあるため注意が必要です。特に以下の項目は、状況によって追加費用が発生しやすいポイントです。
- 安置費用: 亡くなってから葬儀までの日数が延びた場合、ドライアイス代や安置施設の使用料が追加でかかります。
- 式場使用料: 葬儀社によっては、1日の利用でも2日分の料金設定となっている場合があります。
- オプション: 祭壇のグレードアップや供花の追加などは別途費用となります。
現場の実情として、「格安プラン」を謳っていても、必要なオプションを追加していくと最終的な金額が一般葬と変わらなくなるケースも見受けられます。事前の見積もり確認が不可欠です。
パック料金に含まれない「安置費用」や「式場使用料」の条件は要確認です。見積もり総額だけでなく「何が含まれていないか」を必ず担当者に聞いてください。
一日葬の主な流れ(スケジュールの目安)
一日葬は当日に儀式が凝縮されるため、午前中から火葬終了までの一連の流れを把握しておく必要があります。
逝去から納骨までのタイムライン
一般的な一日葬のスケジュールの目安です。
| タイミング | 内容 |
|---|---|
| 逝去〜搬送 | 病院等から自宅や安置施設へ搬送。葬儀社と打ち合わせ。 |
| 納棺 | 前日または当日の朝に旅支度を整え、棺に納めます。 |
| 当日 午前10:00 | 告別式 開始 読経、焼香、弔辞・弔電の紹介などを行います。 |
| 午前11:00 | 出棺 最後のお別れ(花入れ)をし、火葬場へ向かいます。 |
| 正午12:00 | 火葬 火葬には1〜2時間程度かかります。 |
| 午後14:00 | 骨上げ(収骨) 遺骨を骨壷に納めます。 |
| 午後15:00 | 精進落とし(会食) ※省略する場合もあります。解散。 |
通夜がないため、前日の準備時間には比較的余裕があります。遺影写真の選定や副葬品(棺に入れる思い出の品)の準備などを、家族でゆっくり行うことができます。
また、遠方から来る親族にとっても、日帰りが可能になるケースが多く、参列のハードルが下がるというメリットがあります。高齢の親族が多い場合は、身体的な負担を考慮して一日葬を提案するのも一つの優しさです。
一日葬のメリットとデメリット
新しい葬儀の形であるため、良い面もあれば注意すべき面もあります。決定する前に必ず双方を理解しておきましょう。
3つのメリット
- ご遺族の心身の負担が軽い
2日間にわたる対応や宿泊、弔問客への挨拶回りが1日で済むため、ご高齢のご遺族がいる場合でも体力的・精神的な疲労を大幅に抑えられます。 - 費用の負担を抑えられる
通夜振る舞い(お通夜の後の食事)の飲食費や、遠方から来る親族の宿泊費、斎場(式場)の使用料などを削減できるため、経済的な負担が軽くなります。 - 遠方の親族が日帰りしやすい
1日の日中だけで全てのスケジュールが終了するため、遠方から参列する親族も日帰りで参列することが可能です。
3つのデメリット
- 親族の理解が得られにくい場合がある
「お葬式は2日かけてやるのが当たり前」と考えているご年配の親族などから、「お通夜をやらないなんて故人が可哀想だ」と反対されるケースがあります。 - 菩提寺(お付き合いのあるお寺)の許可が下りないことがある
仏教の伝統的な考え方では「お通夜と告別式を両方行う」ことが基本です。そのため、事前にお寺の許可を取らずに一日葬を行うと、「納骨を断られる」などのトラブルに発展する可能性があります。 - ゆっくりとお別れする時間が短い
お通夜の夜に、ご遺族だけで故人様との思い出を語り合いながら静かに過ごす……といった時間が取れないため、慌ただしく感じてしまうことがあります。
一日葬で失敗しないための注意点とマナー
- 何よりも先に「お寺」へ相談する
菩提寺(先祖代々のお墓があるお寺)がある場合は、葬儀社を決める前に必ず「一日葬で行いたいのですが」と住職に相談し、許可をもらいましょう。 - 親族への丁寧な事前説明
後々のしこりを残さないためにも、参列する親族には「なぜ一日葬にするのか(故人の遺志、高齢への配慮など)」を事前にしっかりと説明しておくことが重要です。 - 参列者への案内状には「一日葬」と明記する
参列を予定している方が「お通夜に行こう」と思ってしまわないよう、案内状には「通夜は執り行わず、一日葬にて執り行います」と明確に記載しましょう。
葬儀社選びで確認すべきポイント
葬儀社を選ぶ際は、費用だけでなく以下の点を確認しましょう。
- 安置施設で故人と面会ができるか、またその条件。
- 通夜を行わない代わりに、ゆっくりお別れできる時間を設けてくれるか。
- 見積もりに「式場使用料」「安置料」「ドライアイス代」が含まれているか。
私たちが実際にサポートした事例でも、遠方から来る親族のために「駅から近い式場」や「安置中に面会できる施設」を持つ葬儀社を選定したことで、満足度の高いお見送りができたケースがあります。
まとめ:後悔のない一日葬と安心の終活に向けて
一日葬は、時代の変化やご遺族の状況に寄り添う新しいお見送りの形です。身体的・経済的な負担を抑えつつ、温かみのあるお別れができる一方で、菩提寺への確認や親族間の話し合いなど、事前に押さえるべき注意点もあります。後悔のないお見送りをつくるためには、メリットとデメリットを正しく理解し、事前の準備を進めることが何より大切です。
「残される家族に負担をかけたくない」「自分に万が一のことがあったら一日葬を希望したい」
といった想いがある方は、その意思を遺言書やエンディングノートに法的な観点からしっかりと残しておくことをおすすめします。
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