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香典袋の閉じ方は上側を被せるのが正解?向きや裏側の折り方マナー

急な訃報に接した際、お通夜や葬儀に持参する香典の準備で迷うことは少なくありません。特に香典袋の裏側の閉じ方は、お祝い事である慶事とは正反対のルールがあるため、間違えると大変失礼にあたります。

慣れない葬儀のマナーにおいて、最も間違いやすく、かつ目につきやすいのが香典袋の裏側の折り返し部分です。正しい閉じ方を知っておくことは、故人への哀悼の意を表し、遺族に対して失礼のない振る舞いをするための第一歩となります。

この記事では、香典袋の閉じ方を中心に、お札の入れ方や表書きの書き方まで、葬儀の専門家が分かりやすく解説します。

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目次

香典袋の閉じ方は上側を下側に被せるのが基本

葬儀や法要で用いる不祝儀袋(香典袋)の裏側を閉じる際、最も重要なルールは上側の折り返しを最後に重ねるということです。これは、悲しみで顔を伏せている様子や、不幸が重ならないようにという願いが込められた伝統的な作法です。

具体的な手順を間違えないよう、以下のステップを意識して準備を進めましょう。

不祝儀袋の裏側を折る具体的なステップ

香典袋の裏側を完成させるまでには、以下の手順を順番に行う必要があります。

  • 中袋を外袋の中央に正しく配置する
  • 下側の折り返しを先に折る
  • 上側の折り返しを最後に被せる
  • 慶事との違いを明確に理解して確認する

中袋を中央に配置する

まず、お札を入れた中袋(または中包み)を外袋の真ん中に置きます。この際、外袋の正面に対して中袋が逆さまになっていないか、表裏が合っているかを確認してください。中袋の表(金額が書かれている面)が、外袋の表(御霊前などの表書きがある面)と同じ向きになるように配置するのが一般的です。

下側の折り返しを先に折る

外袋を裏返した状態で、まず下側の部分を内側に折り込みます。このとき、折り目がずれないように丁寧に行うことが大切です。不祝儀袋(香典袋)の場合、この下側の折り返しが一番下に来るようにしなければなりません。

上側の折り返しを最後に被せる

次に、上側の部分を折り込み、先ほど折った下側の折り返しの上に重ねます。結果として、袋の裏側を見たときに、上の端が一番手前に来ている状態(上から下へ被さっている状態)が正解です。これは、お祝い事の際に下側を被せる(幸せを受け止める)のとは対照的に、悲しみを流す、あるいは顔を伏せるという意味合いを持っています。

慶事との違いを意識する

結婚式などのお祝い事で使う祝儀袋は、下側の折り返しを最後に被せます。これは「幸せをこぼさず受け止める」という縁起を担いでいるためです。香典袋でこれをやってしまうと、不幸を喜んでいるかのような誤解を与えかねないため、必ず「上側が最後」というルールを徹底してください。

香典袋の裏側は、受け取った遺族が最初に目にする部分でもあります。特に受付で袱紗(ふくさ)から出した際、折り方が逆だとマナーを知らないと思われてしまう可能性があります。迷ったら「悲しみでうなだれている姿」をイメージして、上から下へ被せると覚えておきましょう。

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香典袋の裏側の閉じ方を間違えると失礼?慶事と弔事で異なる意味の違い

なぜ香典袋の折り方にこれほど厳しい決まりがあるのでしょうか。それは、日本の伝統的な礼法において、紙の重ねる順番には深い精神的な意味が込められているからです。慶事(お祝い)と弔事(お悔やみ)では、その意味が真逆になります。

祝儀袋と不祝儀袋の折り方の決定的な違い

お祝いとお悔やみでの折り方の違いを、視覚的に分かりやすく比較してみましょう。

比較項目不祝儀(香典)慶事(祝儀)
一番上にくる折り返し上側の折り返し下側の折り返し
込められた意味悲しみに顔を伏せる・不幸を流す喜びを受け止める・幸せを貯める
視覚的な印象下を向いている状態上を向いている状態
間違えた際の影響大変失礼(不幸を祝う意味になる)マナー違反(悲しみを持ち込む意味になる)

なぜ弔事では上側を被せるのかという理由

弔事において上側を最後に被せることには、大きく分けて二つの理由があります。

  • 悲しみで顔を伏せる様子を表すため
  • 幸せをこぼさない慶事の逆を意味するため

悲しみで顔を伏せる様子を表す

上側を被せる形は、人が悲しみに暮れてうつむいている様子、あるいは頭を下げて故人を偲んでいる姿を象徴していると言われています。古来より日本人は、言葉だけでなく物の形や包み方によっても、自分の心境や敬意を表現してきました。

幸せをこぼさない慶事の逆を意味する

慶事では「天からの恵み(幸せ)をこぼさないように受け皿を作る」という意味で下側を最後に被せます。一方で弔事はその反対、つまり「二度とあってほしくない不幸」を留め置かず、そのまま流してしまうという意味を込めて、下側を開けて上から被せる形をとります。このように逆の所作をすることで、日常とは異なる非日常(忌事)であることを明確に区別しているのです。

マナーの裏側にある「理由」を知ると、ただ暗記するよりも忘れにくくなりますよね。香典袋の折り返しは、単なる紙の重ね方ではなく、遺族の悲しみに寄り添うための無言のメッセージなのです。もし不安な場合は、袋を閉じる前に一度手を合わせて、故人への想いを確認してみると自然と正しい向きに手が動くかもしれません。

香典袋を閉じる際に気をつけるべき表書きや中袋の書き方マナー

香典袋の閉じ方だけでなく、その中に入れるお札の向きや、袋の表面に書く文字についても重要なルールがあります。外側を正しく閉じても、中身のマナーが欠けていれば丁寧な弔いとは言えません。

外袋と中袋をセットする際の注意点

香典を準備する際、特にお札の入れ方と筆記用具の選び方には注意が必要です。

  • お札の向きは裏側を向ける
  • 薄墨の筆ペンを使用して記名する
  • 金額の数字は旧字体(大字)を用いる

お札の向きは裏側を向ける

香典袋に入れるお札は、慶事とは逆の向きにするのが一般的です。袋の表側(名前が書いてある方)に対して、お札の人物像が描かれている面が「裏(下)」を向くように入れます。また、人物像が袋の底に来るように入れる(顔を伏せる)という説もあります。これには「突然のことで顔を合わせる準備もできていない」といった意味が含まれています。

薄墨の筆ペンを使用して記名する

お通夜や葬儀の際、表書きや氏名は「薄墨(うすずみ)」の筆ペンや毛筆で書くのがマナーです。薄墨には「涙で墨が薄まった」「急なことで十分に墨を磨る時間がなかった」という意味があり、故人への哀悼の意を表します。ただし、四十九日を過ぎた法要(一周忌など)では、通常の濃い墨を使用しても良いとされています。

金額の数字は旧字体(大字)を用いる

中袋に書く金額は、漢数字の旧字体である「大字(だいじ)」を使うのが正式なマナーです。これは、数字の改ざんを防ぐという実用的な意味もあります。例えば、一は「壱」、三は「参」、五は「伍」、十は「拾」、千は「阡」、万は「萬」と書き、金額の最初には「金」、最後には「圓」を添えて「金 壱萬圓」のように記載します。

お札の向きについては地域によって多少の差がありますが、最も大切なのは「新札(ピン札)をそのまま使わない」ことです。新札は不幸を予期して準備していたように取られるため、新札しかない場合は一度折り目をつけてから包むようにしましょう。こうした小さな配慮が、遺族の心を傷つけないための優しさになります。

宗教や宗派によって異なる香典袋の種類と選び方のポイント

香典袋(不祝儀袋)には、さまざまな種類があります。相手の宗教や宗派に合わない袋を選んでしまうと失礼になるため、事前の確認が必要です。

仏式や神式など各宗教に合わせた袋の使い分け

日本の葬儀の多くは仏式ですが、神道やキリスト教の場合もあります。以下のポイントを参考に適切な袋を選びましょう。

  • 仏式(仏教)での選び方と表書き
  • 神式(神道)での選び方と表書き
  • キリスト教式での選び方と表書き
  • 無宗教・宗派不明の場合の対処法

仏教(仏式)での選び方と表書き

最も一般的な仏式では、黒白または双銀の結び切りの水引がかかった袋を使用します。表書きは「御香典」や「御霊前」が一般的です。ただし、浄土真宗の場合は「亡くなるとすぐに仏になる」という教えがあるため、通夜であっても「御仏前」と書くのが正式なマナーとされていますが、迷った場合は「御霊前」でも失礼にはあたりません。袋に蓮の花が印刷されているものは仏教専用です。

神道(神式)での選び方と表書き

神式の場合、水引は黒白または双銀ですが、袋は無地のものを選びます(蓮の花の絵があるものはNGです)。表書きは「御神前」や「御玉串料」、「御榊料」などと記載します。神道では「香」を供える習慣がないため「御香典」という言葉は使いません。

キリスト教式での選び方と表書き

キリスト教の場合、水引のない白い封筒や、十字架やユリの花が印刷された専用の袋を使用します。表書きは「御花料」や「献花料」とするのが一般的です。カトリックの場合は「御霊前」も使えますが、プロテスタントでは「御霊前」は避ける傾向にあります。

無宗教・宗派不明の場合の対処法

相手の宗教が分からない場合は、共通して使えるものを選ぶのが無難です。水引が黒白または双銀で、蓮の花などの装飾がない無地の袋に、表書きを「御霊前」として持参すれば、ほとんどのケースで失礼にはなりません。ただし、キリスト教のプロテスタントなど厳格な場合は「御花料」が最も安全な選択となることもあります。

最近では、コンビニなどでも多種類の香典袋が売られていますが、パッケージに「仏式用」などと記載されていることが多いので、購入時に必ずチェックしましょう。もし自分の家の宗派と相手の宗派が違っても、相手の形式に合わせるのがマナーです。分からない時は、葬儀場のスタッフにこっそり確認するのも一つの手ですよ。

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香典袋の閉じ方に関してよくある質問

ここでは、香典袋の閉じ方や扱いに関して、多くの方が疑問に感じるポイントをQ&A形式で解説します。

中袋を糊付けして閉じる必要はありますか?

基本的に、香典袋の中袋を糊付けする必要はありません。受付の方が金額を確認する際に手間取ってしまう可能性があるためです。ただし、現金書留で郵送する場合などは、防犯上の理由から糊付けすることもあります。その際も、封の部分に「〆」や「封」と書くのがマナーです。

香典袋の裏側を留めるのにシールやテープを使ってもいいですか?

市販の香典袋にはシールが付属していることがありますが、基本的には使わなくても問題ありません。折り返しをしっかりと指で押さえて形を整えれば十分です。セロハンテープなどで止めてしまうと、開ける際に袋を破いてしまう恐れがあるため、避けたほうが賢明です。

袱紗(ふくさ)から出すときの向きに決まりはありますか?

はい、あります。香典袋を渡す際は、相手から見て表書きが正しく読める向きにして渡します。袱紗から取り出し、一度自分の方に向けてから時計回りに回転させ、相手に正面を向けて両手で差し出すのが最も丁寧な所作です。このとき、裏側の閉じ方が正しく(上側が被さった状態)なっていることを改めて確認しましょう。

複数の香典をまとめて持参する場合の閉じ方は?

会社一同や有志で香典を出す場合も、袋の閉じ方や折り方のルールは一人で出す場合と全く同じです。人数が多い場合は、袋の中に全員の名前を書いた別紙(芳名帳)を同封し、中袋には合計金額を記載するようにしましょう。

二重封筒の香典袋は使ってもいいのでしょうか?

弔事において二重封筒は「不幸が重なる」ことを連想させるため、避けるのがマナーです。中袋があるタイプであっても、外袋は一枚のもの、あるいは中袋そのものが一重になっているものを選びましょう。

細かいルールが多くて大変だと感じるかもしれませんが、一番大切なのは「遺族の手間を増やさないこと」と「故人を偲ぶ気持ち」です。中袋の糊付けをしないのも、受付の方への配慮からきています。形にこだわりすぎて心を忘れないよう、ゆったりとした気持ちで準備してくださいね。

まとめ

香典袋の閉じ方における重要なポイントをまとめました。

香典袋の閉じ方は、裏側の下側を先に折り、その上に上側を被せるのが正しいマナーです。これは悲しみに顔を伏せる様子を表し、慶事とは逆の作法とされています。

弔事のマナーは、地域や宗派によって細かな違いがあるため、基本を押さえつつ、不安な場合は周囲に相談したり、専門家のアドバイスを受けたりすることが大切です。

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