突然の孤独死…相続人調査は誰がやる?戸籍の集め方と専門家の費用相場

「貸している物件で入居者が孤独死した」「疎遠だった親族が孤独死したと行政から連絡があった」など、突然の事態に直面し、誰がどのように相続人調査を進めればいいのかと不安を抱えていませんか?
孤独死が発生した場合、遺体の引き取りだけでなく、残置物の撤去や未払い家賃の清算、遺産整理を行うために、早急に身元を確認して相続人を特定する必要があります。
この記事では、孤独死が起きた際の「相続人調査」の具体的な手順や、専門家に依頼した際の費用相場、調査後の手続きについて分かりやすく解説します。最後までお読みいただければ、全体像が把握でき、予期せぬ事態にも焦らず適切な対応ができるようになります。
孤独死の相続人調査は「誰が」「何のために」行うのか?
孤独死が発生した場合、状況によって調査を行う主体や目的が異なります。それぞれのケースにおける主な対応は以下の通りです。
| 調査の主体 | 主な目的 | 調査の範囲 |
|---|---|---|
| 自治体(市区町村) | 遺体の引き取り依頼 | 戸籍をたどる身元確認のみ |
| 不動産オーナー・管理会社 | 残置物撤去や未払い家賃の請求 | 連帯保証人や法定相続人の特定 |
| 判明した親族(相続人) | 遺産分割や相続放棄の判断 | 他の相続人の有無や財産の特定 |
身寄りのない方が亡くなった場合、市区町村などの自治体は火葬や埋葬を行う前に、戸籍をたどって親族を探します。親族が見つかった場合は遺体の引き取りを依頼しますが、行政が行うのはあくまで遺体に関する連絡までです。残された家財道具の整理や、預貯金などの財産整理といった死後の手続きについては、行政は代行してくれません 。
そのため、不動産の貸主や判明した親族が、遺産整理や契約解除を進めるために、自ら相続人を特定する調査を行う必要が生じます。
行政からの突然の連絡で孤独死を知るケースは少なくありません。まずは落ち着いて、遺体の引き取りと相続財産の有無を確認することが第一歩となります。
【手順解説】孤独死の相続人調査はどう進める?費用相場も紹介
孤独死相続人調査は、亡くなった方の出生から死亡までの連続した戸籍をたどることで行われます。
基本手順は「戸籍謄本」を遡って法定相続人を特定すること
調査の基本は、亡くなった方の戸籍謄本、除籍謄本、改製原戸籍などを取得し、法定相続人を特定することです。本籍地の市区町村役場で取得する必要がありますが、本籍地が現住所と異なる場合は遠方への請求や郵送での取り寄せが必要になります 。離婚や転籍を繰り返している場合は、複数の自治体にまたがって戸籍を収集しなければならず、時間と手間がかかります。
専門家(弁護士・行政書士など)に依頼する場合の費用目安
個人で戸籍をさかのぼるのが難しい場合、弁護士、司法書士、行政書士などの専門家に調査を依頼することが可能です。専門家に依頼した場合の費用相場は、数万円から十数万円程度が一般的です。相続人の数や、戸籍の取得先が全国に散らばっているかなど、状況の複雑さによって費用は変動します。
また、相続人が確定した後は、預貯金や不動産といった財産の目録を作成し、遺産分割協議を進める必要があります。相続人が複数いる場合や、連絡が取りにくい方がいる場合は、これらの手続き自体が精神的にも大きな負担となります 。
戸籍の収集は想像以上に専門知識を要します。本業や日常生活への影響を避けるためにも、早い段階で専門家のサポートを検討するのが無難です。
孤独死の相続人調査後に発生する「葬儀・死後の手続き」の負担
相続人が判明した後は、葬儀の実施や財産の整理など、多くの対応が待ち受けています。
遺体の引き取りと火葬のみを行う「直葬」の現実
自治体からの連絡で相続人が遺体を引き取った場合、葬儀社を手配することになります。しかし、長く疎遠であった場合や経済的な理由から、通夜や告別式を行わず火葬のみを行う「直葬」が選ばれる傾向があります。万が一、親族が見つからなかった場合や引き取りを拒否された場合にも、最終的には自治体のルールに従って直葬が行われ、提携する合葬墓などに納骨されます 。
銀行口座の凍結対策に役立つ「預貯金仮払い制度」とは
亡くなったことが金融機関に伝わると、故人の銀行口座は凍結され、入出金ができなくなります 。葬儀費用や未払い費用の精算に困るケースがありますが、2019年7月に施行された改正民法により「預貯金仮払い制度」が利用できるようになりました 。
これにより、一部の相続人は遺産分割協議が終わる前でも、一定額(最大150万円まで)を引き出すことが可能です 。手続きには故人の除籍謄本や戸籍謄本、相続人の本人確認書類などが必要となります 。
突然の出費に慌てないよう、預貯金仮払い制度の存在を知っておくことは重要です。金融機関ごとに対応窓口が異なるため、事前に電話で必要書類を確認するとスムーズです。
孤独死による複雑な相続人調査を防ぐための「生前対策」
孤独死による死後の混乱を防ぐためには、元気なうちから自分の最期に向けた準備をしておくことが大切です。
一人暮らしや身寄りのない方の場合、死後の手続きを第三者に託す「死後事務委任契約」を結んでおく方法があります 。この契約では、遺体の引き取り、葬儀や納骨の手配、賃貸住宅の明け渡し、未払い費用の精算、各種契約の解除などを代理人に依頼することができます 。
また、誰に財産を遺すのかを明確にする「遺言書の作成」や、自分の財産状況を整理しておく「財産目録の作成」も有効です 。現場の実情として、自分の死を伝えてほしい人のリストや、スマートフォンのパスワードの保管場所をエンディングノートに記しておくだけでも、残された人や管理会社の負担は大幅に軽減されます 。
死後の備えは、残される人への最後の思いやりです。大がかりな契約でなくとも、身の回りの情報をノートに書き留めることから始めてみてください。
誰もが避けては通れない死後の手続きですが、事前の準備や正しい知識があれば、不安を大きく減らすことができます。孤独死による相続人調査や死後の手続きに不安を感じる場合は、専門家のアドバイスを受けることが解決への近道です。行政書士法人グループが運営する「ニコニコ終活」では、死後事務委任契約や相続に関する無料相談を全国対応で受け付けています。まずは現状の不安を整理するためにも、お気軽にお問い合わせください。