県民共済と葬儀保険を活用した費用の備え方はどっちが正解?ほかの選択肢は?

もしもの時の葬儀費用について、手頃な掛金で備えられる県民共済や専門の葬儀保険だけで本当にカバーできるのか、不安に思う方は少なくありません。
この記事では、それぞれの保障内容の違いや、将来損をしないための選び方を解説します。
両者の特徴と実際の相談現場でよくあるトラブルの傾向を知ることで、ご自身やご家族に最も負担の少ない確実な備え方がわかります。
県民共済と葬儀保険の比較と特徴
県民共済の死亡保障と専門の葬儀保険には、それぞれ異なる特徴があります。以下の表に主な違いを整理しました。
| 比較項目 | 県民共済(死亡保障) | 葬儀保険(少額短期保険) |
|---|---|---|
| 主な目的 | 遺族の生活保障や葬儀費用の補助 | 葬儀費用の確実な支払い |
| 加入条件 | 比較的厳しい(年齢制限や健康状態) | 高齢や持病があっても加入しやすい |
| 保険料(掛金) | 年齢に関わらず一定の場合が多い | 更新ごとに年齢に応じて高くなる傾向 |
| 保険金の支払時期 | 請求から数日〜数週間程度 | 迅速(最短翌営業日など) |
葬儀費用をカバーしても支払いに間に合わない
2020年以降の葬儀費用の全国平均は、飲食費や寺院へのお布施を含めた合計額で約160万円となっています 。
県民共済の死亡保障は数百万円単位で支払われるプランもあり、葬儀費用を十分にカバーできる可能性がありますが、支払いに日数を要することがあるため、当座の支払い資金の準備が必要です。
一方で葬儀保険は、支払いが迅速で葬儀費用の精算に間に合いやすいというメリットがあります。
掛金と保障期間が全然違う
県民共済は手頃な掛金で幅広い保障を得られますが、一定の年齢(65歳や85歳など)に達すると保障額が減額されたり、契約が終わったりすることがあります。
対して葬儀保険は、80歳以上でも加入できる商品が多いものの、1年ごとの更新型(掛け捨て)が主流です 。
ご自身の健康状態や現在の年齢によって、どちらが適しているかは大きく変わります。まずは葬儀にいくらかかるのか、事前の見積りで目標額を明確にすることが大切です。
【現場の教訓】県民共済・葬儀保険を利用する際の注意点
「手頃な掛金だから安心」と加入したはずの共済や保険。しかし、実際の相談現場では、制度の仕組みを誤解していたために、老後の不安を抱えてしまうケースが後を絶ちません。現場で起きた2つの典型的な失敗例から、そのリスクを読み解きます。
1. 県民共済の注意点:いざという時に「保障がない」「間に合わない」
手軽な掛金が魅力の県民共済ですが、葬儀費用の「主軸」にするには2つの大きなリスクがあります。
- 「年齢の壁」による保障終了 :多くの共済には年齢制限があります。高齢で亡くなられた際、いざ遺族が手続きをしようとしたら「すでに保障期間が終了していた」というケースは少なくありません。長生きをした結果、最もお金が必要な時期に保障が消滅している可能性があるのです。
- 「支払期限」に間に合わない :共済金の着金には事務手続きの日数を要します。一方、葬儀社への支払いは「葬儀後数日以内」が一般的。そのため、結局は遺族が数百万円を一時的に立て替えなければならず、資金繰りに奔走するトラブルが頻発しています。
2. 葬儀保険の注意点:長生きするほど「元本割れ」する仕組み
1年更新の「掛け捨て型」が多い葬儀保険は、加入期間が長くなるほど契約者に不利な設計になりがちです。
- 保険料の「階段式」上昇 :更新ごとに年齢が上がるため、毎月の負担は段階的に重くなります。ある90代の方の事例では、長年払い続けた保険料が計200万円に達していたものの、受け取れる保険金はわずか100万円という「元本割れ」状態に陥っていました。
- 高齢期での「強制終了」: 一定の年齢を超えると更新ができなくなる規定が多く、それ以降は一切の保障がなくなります。年金暮らしの中で葬儀費用を捻出できず、困窮されるケースも現場では深刻です。
【結論】どう備えるのが正解か?
共済や葬儀保険は、あくまで「万が一の急な不幸」に備える短期的な手段です。
- 共済・保険: 若い時期や、貯蓄が貯まるまでの「つなぎ」と割り切る。
- 長期の備え: 元本割れのない「預貯金」や、保障が一生涯続く「終身保険」を検討する。
「いつか来るその時」に遺族が困らないよう、加入中のプランが「何歳まで続くか」「総額でいくら払うのか」を今一度見直すことが、本当の安心に繋がります。
他の選択肢は?県民共済と葬儀保険以外の費用の備え方
保険や共済以外にも、ご家族に葬儀費用の負担をかけないための備え方があります。
1. 互助会(ごじょかい)を利用する
毎月数千円ずつ積み立てをして、葬儀サービスを割引価格で受ける仕組みです。
- メリット: 銀行口座が凍結されても、葬儀の実施に支障が出ない。
- デメリット・注意点:
- 途中でやめると10%〜30%の手数料がかかる。
- 積立金だけでは足りず、高額な追加費用が発生してトラブルになるケースが増えている。
2. 葬儀信託(そうぎしんたく)を活用する
事前に葬儀社と内容を決め、費用を専用口座(信託銀行など)に預けておく仕組みです。
- メリット: 最も確実な方法。口座凍結の影響を受けず、葬儀社へ直接支払われる。遠方の家族や独身の方でも、希望通りの葬儀がしやすい。
- デメリット: まとまったお金を最初に準備する必要がある。
との方法を選ぶにしても、必ず具体的な葬儀の見積りを取り、どこまでカバーできるのか、内訳を細かく確認しておきましょう。
まとめ
県民共済や葬儀保険は、それぞれに利点と注意点があります。
どの方法が最適かは、ご自身の年齢、健康状態、そしてどのような葬儀を希望するかによって異なります。
まずは、ご自身が希望する葬儀の規模や内容を整理し、複数の葬儀社から事前の相見積りを取って正確な費用を把握することが、すべての備えの第一歩となります。
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